【3月号】

令和2年2月27日
緑幼稚園長 後藤かをり

見て見てコールがいっぱい
~惜しみなく褒めて~


 土の中から、もこもこと草木の芽吹く音が聞こえてきます。「そろそろ出番が来た」と冬ごもりをしていた虫たちが土の中でうごめいています。もうそこそこに、暖かい春の兆しが見え始めています。
 弥生3月、次の学年へステップアップしようとしている子どもたちの3月は、人生100年の中でも、一番輝いている時期でしょう。

 さてさて、4月から今日まで、幼稚園は一年中、子どもたちの「見て見てコール」の声が響き渡っています。
 「ジャングルジムののぼり棒につかまって下りられるようになったよ。リングジムの高いところまで上れるようになったよ。鉄棒で逆上がりができるようになったよ。」園庭のあちこちから「見て見てコール」が聞こえてきます。砂場で大きな穴を掘っても「見て見て」、タイヤのスロープを下りてきても「見て見て」。それは、今までできなかったことができるようになった時の、自己アピールの表れです。その都度、「すごいね。よくできるようになったね。たくさん練習したんだね。」といっぱい褒めます。
 これは、保育室でも同じです。後ろの壁に掲示している絵や工作を指さし、「ぼくの上手でしょう。わたしのだって上手だよ。」と競うように見て見てコールが始まります。「あら、大きく描けたね。色の塗り方がきれいだね。はさみも上手に使えるようになってすごいね。」
 トイレでも「一人でズボンを下ろせたよ。自分でふけたよ。」と得意満面な顔をしてアピールをしてきます。そばにいる先生だけではなく、そこを通りかかった先生からも「あらすごい。よくできるようになったね。」という賛辞の声がとびかいます。
 アメリカの心理学者、ウィル・シュッツ博士が提唱した自尊心の3大欲求に「自己重要感・自己有能感・自己好感」とあります。自分を大事な存在として認めてほしい、「すごいね。成長したね。」と褒めてほしい、「大好きだよ。」と言ってほしい、この3大欲求は、日々の子どもたちの「見て見てコール」に通じるものがあります。
 先日の新聞の声欄に「我が子を見直させてくれた方に感謝」という文が掲載されていました。
 「お宅の○○ちゃん、よく挨拶ができるね。『おばちゃん、おはよう』と挨拶をされると1日が気持ちよく始まるの。立派に子育てをされたのね。〇〇ちゃんをうんと褒めてあげてくださいね。」そんなお褒めの言葉を聞いて、お母様はとっても嬉しくなったとありました。「家では、きちんと挨拶もできない我が子が、外ではちゃんと挨拶ができているんだ。」と自分のお子さんの良さに気づかされたと同時に、我が子を褒めてくださり、さらに、そのことをわざわざ知らせてくださったことに心から感謝したいと結んでありました。
 「褒められた経験が多い子ほど、社会を生き抜くうえで必要なへこたれない力が高い。」この言葉は「ほめ育で人材を育てる」の提唱者・原邦雄氏によるものです。「お世辞と褒め言葉は別物と心得よう」とあっても、大人でも褒められると何となく心がくすぐられるものです。きっと、子どもたちは毎日「見て見てコール」を連発しながら、褒められる経験をいっぱい積んで大きくなっていくのでしょう。そして、逞しく社会を生き抜いていくのでしょう。ぜひ、惜しみなく褒め言葉をかけていきたいと思います。

 最後になりましたが、令和元年度を締めくくるにあたり、保護者様には多方面にわたり本園教育活動にご理解とご協力をいただき、本当にありがとうございました。令和2年度も、子どもたちが笑顔いっぱいで通園できますように、教職員一同、新たな気持ちで保育に邁進していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【2月号】

令和2年1月28日
緑幼稚園長 後藤かをり

みんなちがって みんないい
~多様性を受けとめて~


「梅が香に 追ひもどさるる 寒さかな ~芭蕉~」
 2月4日は「立春」、春を告げる可愛い梅の花がちらちらほころび始める頃ではありますが、まだまだ寒さは続きそうです。
 冬休みが明けて、そろそろ1ヶ月になります。年少は年中に、年中は年長に、そして年長は1年生にと、限りなく次の学年に近くなるこの時期、表情やちょっとした仕草にも「大きくなったな」という成長を実感しているところです。進級まであと2ヶ月、幼稚園のあちこちで次の学年へ向けてのエンジン音が聞こえてきます。各クラスの担任は、それぞれのお子さんに合った多種多様なエンジンを、強めたり弱めたりしながら、日々の教育活動を進めているところです。

 さて、最近「多様性」という言葉がよく聞かれます。
 昨年、「にわかファン」なる言葉を生み出し大いに盛り上がったラグビーワールドカップ。ベスト8まで勝ち進んだ選手の快進撃はもちろんですが、様々なルーツをもつ選手で構成されている日本代表が、日の丸を背負い、一丸となって戦う姿に感動されたという方も多いのではないでしょうか。個人種目のスポーツの世界ではみられますが、チームとして戦うスポーツの世界では、ラグビーほど多様性豊かな選手は、そう多くはないと思います。
 この多様性という言葉、「幅広く性質の異なる群が存在すること」とあります。「多様性を尊重する」とか「多様性を認める」とか言われますが、簡単に言い換えれば、「自分とは違う人もいる」ということを理解することだと思います。
 詩人・金子みすゞさんの「私と小鳥と鈴と」という詩があります。

 わたしが両手をひろげても  お空はちっともとべないが
 とべる小鳥はわたしのように 地面(じべた)を早く走れない
 わたしが体をゆすっても   きれいな音はでないけど
 あの鳴る鈴はわたしのように たくさんのうたは知らないよ
 鈴と小鳥と、それからわたし みんなちがって みんないい

 人間愛に満ちた金子みすゞさんのこの詩は、民族も宗教もイデオロギーも超えた世界にあります。
「あなたがいて私がいる。あなたと私はどちらも大切。」とうたった「みんなちがって みんないい」は、小鳥も鈴も自分そのものであり優劣がつけがたい、全てが尊いものであるということを教えてくれます。

 今、子どもたちは次の学年に向かって、少しずつラストスパートをかけています。
 最初の頃は、おもちゃの取り合いになってケンカが始まったり、「〇〇ちゃんと遊ばない」と仲間はずれにしたり、自分以外のお友だちをなかなか受け入れがたい時も多くありました。でも、時が経ち、日々一緒に過ごす中で、お友だちと仲良く遊ぶ楽しさを知り、みんなと一緒に活動することの心地よさを感じとることができるようになりました。自分だけではなく、お友だちの良さに気づくことができるようになりました。
 子どもたちの未来は、ますます多様性を重んじた共生社会になることでしょう。国籍や人種を超えて集う社会、障害の有無に関わらず共に生きる社会、多種多様な人たちの存在を受け止めて生きていく社会、自分の価値観だけではなく異なる価値観をもつ人の考えも受け止める社会。
 その礎になる幼稚園での毎日、子どもたちの成長はまさに快進撃です。そして、ここ最近どこのクラスも、ラグビー日本代表に負けないくらいのチーム力が培われてきています。
 春は、もうすぐそこまできています。

【1月号】

令和2年1月10日
緑幼稚園長 後藤かをり

「とるにたらない」ものごとや話
~新しい年を迎えて~


 令和2年、新しい年が始まりました。あけましておめでとうございます。
 各ご家庭では、お雑煮におせち料理をいただき、子どもたちが楽しみにしている「お年玉」をわたしてお正月を過ごされたのではないかと思います。初詣に出かけたりお年賀状を読んだり・・・。お正月は、故郷のご実家で迎えるご家庭もあることでしょう。きっと、賑やかに新しい年をお迎えのことと思います。
 日本古来から続く行事が季節ごとにありますが、この大晦日からお正月にかけても古くから脈々と受け継がれている伝統が色濃くあります。
 私が子どもの頃は・・・まず、大掃除から始まります。和室の障子紙の張り替えに天井のすす払い、お仏壇の仏具磨きなど、我が家は父を中心に家じゅうの掃除をしました。母は黒豆に田作り、昆布巻きに大根なますと、冷え込んだお台所でおせち料理作りに何日も費やしていました。お正月に着る洋服は一度も手を通してない新品のものです。いつの時代の話かと思われそうですが、いつもとは違う厳かなお正月を迎える準備をせっせとしたものです。
 昭和から平成へ、そして令和の今、住まいから障子が消え、すすのつまった煙突も消えました。三が日用に手作りをしていたおせち料理も、元日から開いているお店がいっぱいあるので、わざわざ作りおきをすることがなくなりました。出来合いのおせち料理が店頭に多く並ぶ時代です。また、年々、お年賀状の購入枚数が減少してきていると聞きます。スマホのラインで頭をペコンと下げているスタンプが送られてくる時代でもあります。
 それでも、新しい年の新しい風は、今年も何か起きそうな期待を運んでくれます。
 コピーライターとして数々の広告を手がける糸井重里氏が、ある雑誌で「おじいちゃんの小さかったとき」という絵本を紹介されていました。

おじいちゃんが子ども時代を過ごした1950年代から60年代ごろの遊びや暮らし、ビー玉めんこ、石けり、紙芝居屋さんにお風呂屋さん。空き地にマンションが建って空き地がなくなてしまうように、あのころの道具や遊びやいたずらやお説教はもうとっくに消えてしまった。
この本で「あった」ことを思い出したせいで、無くなっていたことまで思い出すことになった。無くなってもかまわないと思われていたようなもの、そして忘れてもいいやと思われていたようなこと、それら「とるにたらない」ものごと。「おいおい、ほんとに無くなってもいいのかい?」と本のなかから声をかけてくる。

 時代が変遷し、ものごとの価値観もそれぞれです。年末年始の過ごし方も各ご家庭様々です。でもこの機会に、おじいちゃんやおばあちゃんの思い出と遊ぶのもいいのかもしれません。「とるにたらない」お正月の過ごし方や「とるにたらない」懐かしい話を聞くのもいいのかもしれません。
 今年は子どし。十二支の先頭を切る干支です。昔、神様が十二支の動物を決める際、一番に門前に辿り着いた牛の上にのっていたねずみが、さっと飛び降りて一番になったとか。「とるにたらない」話をさせたらきりがないので、ここで終わらせていただきます。
 いよいよ「東京2020」、新しい年の幕開け。今年も子どもたちにとって健康で幸せな年となりますように、どうぞよろしくお願いいたします。

【12月号】

令和元年11月28日
緑幼稚園長 後藤かをり

幼稚園とお天気
~「あーした 天気になあれ」~


 台風の直撃や豪雨で、先月はお天気に恵まれませんでしたが、11月は秋晴れが多く心地よい毎日が続きました。
 幼稚園恒例のお芋堀り。例年、どこかの学年が延期ということがあったのですが、今年は見事に好天に恵まれ、全学年が予定通りに実施することができました。園バスに乗り、青葉区のみたけ台にある農園まで出かけた子どもたちは、まるで遠足気分です。一生懸命掘って持ち帰ったサツマイモ、「ふかし芋に大学芋、スイートポテトに天ぷら」とお母様が作ってくださるサツマイモ料理を自慢気に話してくれました。しばらくの間、お芋づくしの毎日が続いたのではないでしょうか。
 秋の遠足「八景島シーパラダイス」も好天の中、出かけることができました。4台の大型観光バスは子どもたちにとっても魅力的で乗る前から大騒ぎでした。バスの中では、車窓を眺めるほどのゆとりはありませんでしたが、クイズをしたり歌を歌ったりと賑やかに過ごしました。水族館では、目の前で泳ぐ大きなシロクマに目を白黒させたり、キラキラ光ったイワシの群れに圧倒されたり、何よりも、イルカーショーは圧巻でした。マリックのイリュージョンの世界にも案内され、目の前でくり拡げられたダイナミックなショーは、子どもたちの目を釘付けにしました。各クラスの役員のお母様方、細部に至るまでお手伝いをいただきましてありがとうございました。
 子どもたちが遠足に出かけている間にみどりっこまつり委員さんは、幼稚園で次の日の「みどりっこまつり」の準備をしていらっしゃいました。昨年とは趣を変えた「みどりっこまつり」でしたが、縁日やゲームのセッティング、手作り品の陳列、出入り口の装飾等に、遠足から帰ってきた先生方を大感激させました。まつり当日はもちろん、ここでも好天に恵まれて大盛況でした。みどりっこまつり委員さん、実施に向けて緻密な準備をされ、当日を迎えてくださったことに感謝申し上げます。
 その翌週の「一日動物村」、木枯らし1番が吹き、しかも午前中は小雨予報が出ていたので実施はどうかなと心配をしていたのですが、この日も陽射しポカポカの一日になりました。ポニーにまたがってポーズをとりカシャ! ニワトリを頭にのせてカシャ! ヘビを首に巻いてカシャ! 子どもたちのステキな笑顔が、ファィンダーの奥で渦巻いていたことでしょう。
 11月末には「もちつき」があります。またお天気が味方してくれることを願っています。
 「あーした 天気になあれ」と子どもの頃、履いていた靴を飛ばした思い出があります。今のように天気予報も不確かな時代のことです。飛ばした靴が逆さまだったら雨、横になったら曇り、靴がちゃんと上向きになるまで、しつこいほど靴を飛ばしたことが、つい昨日のことのように思い出されます。あれから半世紀(?)、地球温暖化が叫ばれ異常気象といわれる昨今ですが、「あーした天気になあれ」は、幼稚園で何か行事があるたびに、園外での活動が予定されるたびに唱えられる、私にとっての呪文です。
 「あーした 天気になあれ」と願っているうちに、そろそろ今年も終わりに近づいてきました。元号が平成から令和に変わった記念すべき1年、今年も、保護者の皆様には本園の教育活動にご理解とご協力をたくさんいただきました。ありがとうございます。そして、令和2年もどうぞよろしくお願いいたします。

【11月号】

令和元年10月29日
緑幼稚園長 後藤かをり

スクラム・ノーサイド
~50回目の運動会を終えて~


 大型台風19号、そして当日の朝からの雨と、お天気に見放されてしまった今年の運動会。保護者の皆様には、変更に変更とご迷惑をおかけしましたことお詫び申し上げます。そんな中で実施した運動会、子どもたちのいつもの元気と笑顔をもらって、狭い体育館の中ではありましたが、第50回目の記念すべき運動会を終えることができました。ご協力いただきましてありがとうございました。
 それにしても、このたびの台風の記録的な豪雨で、東海や関東、東北と広範囲にわたる河川の氾濫や堤防の決壊と被害は甚大でした。改めて、自然災害の恐ろしさに身震いをしております。

 さて、体育館での運動会。
 年少のかけっこ、出遅れたり戻ってきたりというハプニングはありましたが、ゴールで待っている大好きな先生の胸に一目散にとびこんでいく子どもたちの後ろ姿に、担任への愛の強さをまざまざと見せつけられました。また、両手首に可愛い花をつけて踊った「バナナなの?」。その日の気分によって出来栄えは変わりますが、年少の子どもたちは、ただその場に立っているだけで花になります。しゃがんでいても、十分可愛い花になります。そんなお子さんの表情を、ビデオや写真でキャッチできましたでしょうか。
 年中ともなると、スターターの合図を見逃しません。物足りなかった距離ではありましたが、前を見据えて力強い走りを見せてくれました。また忍者になりきり、隠し技を入れて踊った子どもたちの「まじめ忍者!!」。去年の年少のときに緑色のマントをひるがえして踊った「ピーマンマン」を思い出しました。可愛かったピーマンマンをすっかり卒業し、今年は忍者に姿を変えて観客を翻弄させてくれました。
 そして年長の「あしたにたねをまこう」の「パプリカ」。今年は、幼稚園じゅうを「パプリカブーム」にまきこみました。体育館ですので限られたラインの中での隊形移動でしたが、練習以上のパフォーマンスを披露してくれたと思います。3色対抗リレーも、練習の時からどのチームが勝つか分からないほどの接戦でしたが、本番でも、抜きつ抜かれつのリレーの醍醐味を見せてもらいました。年長のかっこよさに憧れ、園庭では3色の丸いバトンをもって走り出す子どもたちが増えています。明日に種をまいた年長の姿は、まさに半世紀を超えようとする幼稚園の未来の姿と重なります。
プレのいるか組とぱんだ組の「どうぶつたいそう」も愛くるしく、つい目を細めて見てしまいました。総勢56名、まだ、お尻がふっくらとしている子もいますが、あと半年で幼稚園生になります。入園したら自分たちで演技や競技に参加して、存在感を表すことでしょう。

 時を同じくして繰り広げられているラグビーワールドカップ。4勝をして悲願の決勝トーナメントに進んだ日本代表は、準々決勝で敗退はしましたが多くの感動を与えてくれました。「今後、ラグビーはどんどん変わるぞ。ルールも戦術も。ただ絶対に変わらないものがある。それはスクラムだ。」かつて日本代表監督に就任した、今は亡き平尾誠二さんの言葉です。そして、今回の代表選手も「スクラムは日本の武器である。みんながコミュニケーションをとって試合に立ち向かうことが大切だ。それは、歯磨きと同じで毎日毎日磨くものだ。」と言い切っています。また、釜石鵜住居復興スタジアムで予定されていたカナダとナミビアの試合は、台風接近のために中止を余儀なくされましたが、そのあと、カナダ代表は被災地支援に、そしてナミビア代表は宮古市でファン交流会を開いたというニュースも聞かれました。試合終了後に敵味方もなくお互いの健闘を称えあう「ノーサイド」。紳士のスポーツともいわれるラグビーワールドカップは、仲間を尊重しあう精神、国を超えた友情の尊さを教えてくれました。

 さてさて、今年の運動会で、子どもたちのスクラムが見られたでしょうか。友だちと一緒にお遊戯に取り組んだり友だちと一緒に走って競い合ったりする姿が、おうちの方に届いたでしょうか。また、競い合った子どもたちの、お互いを思いやる気持ちが伝わったでしょうか。歯磨きのように、まだまだ磨き切れてはいないけれど、緑幼稚園生の仲間として、新たな気持ちでスクラムを組みノーサイドの精神で、51年目の一歩を踏み出していきたいと思います。

 カレンダーはもう霜月。あのうだるような暑さを忘れてしまいそうな季節を迎えます。

【10月号】

令和元年9月26日
緑幼稚園長 後藤かをり

過ぎ去った活動のアレコレとこれから
~擬態語のオンパレード~

 夏休みが明けて1ケ月、日増しに夕暮れが早くなり残暑も少しずつ和らいでまいりました。これからが秋本番「実りの秋」を迎えます。
 さて、目の前の子どもたちはすっかり運動会モードに入っているのですが、8月後半からたった今過ぎ去っていこうとする9月のアレコレを、少しお伝えしようと思います。

【ボディペインティング】
 その日は朝からジメジメして蒸し暑い1日でした。園庭にはお部屋の机が並べられ、その上には3原色の大型絵の具が絞り出されています。上半身裸になった年中の子どもたちは、机の上に絞り出された絵の具を手のひらでグチュグチュにして、自分の腕やおなかや足に、お友だちの背中にと遠慮なく塗りまくっています。赤がオレンジになり黄色がグリーンになり、グチュグチュして混ぜ合わせた色はそのうちに表現しがたい色に変化して、子どもたちの体を染めていきます。十分遊んだあとの体洗い。ぬるま湯をはったベビーバスでゴシゴシとタオルで洗いあう子どもたちの顔、実に満足そうでした。

【どろんこまつり】
 朝のうちは曇り空だったのにお日様が顔を出した暑い1日でした。朝から先生方は4本のホースで水を出し、園庭をどろんこにしていきます。あちこちに水たまりを作り、園庭をグチャグチャにして登園する子どもたちを迎えました。ここでも上半身裸です。雨が降るとわざわざ水たまりを探して入る子どもたちです。園庭いっぱいに広がった水たまりやどろんこに目がありません。バチャバチャと走り回る子、気持ちよさそうに寝転がる子、泥団子をぶつけあう子と大騒ぎです。カバさんの置物があるところは水がたまりやすく、まるで泥プールのようです。そこでスイスイと気持ちよさそうに泳いでいる子どももいます。女の子の中には「泥パック」といって美容に目覚めた子も・・・。さんざん遊んだ後、ここでもお湯をはったベビーバスにピチャピチャつかって温泉気分になった子どもたち、その笑顔も最高でした。

【フィンガーペインティング】
 台風15号が過ぎ去った週明けの暑い暑い1日はひよこ組、ちょっぴり涼しくなった週末の1日はうさぎ組。可愛いスモックに着替えた子どもたちは、これから何をするのだろうと興味津々で先生の準備を待っていました。今度は園庭ではなくお部屋の机の上に絞り出された絵の具を指いっぱいでニュルニュルにして遊ぶ活動です。テーブルの上でかき混ぜられた絵の具で、うずまきを描いたりお顔を描いたり電車の線路を描いたりと、適当に遊んでいたかのように見えましたが、最後にはその模様が版画のように画用紙に写し取られ、子どもたち一人ひとりのステキな芸術作品が完成しました。

 過ぎ去った日々を振り返ることはない子どもたち。でも、根っこで体験したことは葉となり実となり次の活動に生かされます。「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が先日配布したPTA新聞に掲載されていましたが、本園での裾野を広げた様々な活動は、まさに10の姿です。
 さてさて、運動会モードにひた走りの今、保育室からは運動会のおゆうぎの音楽が聞こえてきます。自由遊びの時間にも「パプリカ」の曲をかけてノリノリで踊っている年長の子どもたちの並々ならぬ意気込み。「なかなかまっすぐには並べないんです。」と困っている担任のそばで、意に介さずニコニコして走っている年少の子どもたちの大らかさ? そして「今年こそ1番になるんだ!!」と年少の時の屈辱を果たそうとフツフツと燃やしている年中の子どもたちの闘志。
 「グチュグチュ・バチャバチャ・ニュルニュル」子どもたちの活動の様子を表すのにぴったりの擬態語は、着飾ったどんなオシャレな言葉よりも似合います。
 季節はめぐり、今年度もあと半年です。擬態語で語られる子どもたちのあと半年を、これからもつぶさに見続けながらお伝えしようと思います。
 まずは運動会。可愛い気合が入り、やる気マンマンで大活躍する子どもたちの姿をご期待ください。

【9月号】

令和元年8月29日
緑幼稚園長 後藤かをり

『思考力は遊びで育つ』
~夏休み、思い切り遊びましたか~

長い夏休みが終わり、年少中の子どもたちは「夏祭り・夕涼み会」の土曜日に、そして年長の子どもたちは週明けの月曜日にと、いつものように幼稚園の坂道をのぼってきました。
 久しぶりに会うお友だちや先生との再会に、ちょっぴり照れながらも嬉しそうに顔を見合わせたりハイタッチをしたり・・・ひっそりと静まりかえっていた幼稚園は、賑やかな子どもたちの元気な声が響きわたり、ようやく幼稚園本来の姿が戻ってきました。
 夏休みを終え、日焼けをして大きくたくましくなってきた子どもたち、「公園でいっぱい遊んだの?海や山にも行ってきたの?」とたずねたら「お外が暑いから映画を見に行ったの。お屋根のあるプールにもいっぱい入ったよ。」という返事。梅雨明けは遅かったものの、その後の猛暑続きの毎日でしたので、どうしても屋内での遊びが多かったようです。それでも、長い夏休みを利用して、遠くに住んでいらっしゃるご両親の故郷へお出かけした子もおり、そこで自然をたっぷりと満喫して貴重な体験をしてきたようです。
 さて、我が家に届いた自然塾のチラシにこんなキャッチコピーがありました。
    ~夏休みは子どもが自然の中で思い切り遊べるチャンス『思考力は遊びで育つ』~
 何もない野原で遊ぶ経験、雑草をちぎってお料理を作ったり、木陰を見つけてかくれんぼをしたり、木の枝を何かの道具に見立てたりと、子どもたちは想像力を膨らませて思い切り遊べる、それが夏休みの醍醐味です。そのチラシには、17歳の女子高生の「虫への探究心が学びの土台に」というコメントも書き加えられていました。虫と触れあうために夏休みはひたすら虫を追いかけていたこと、そしてご両親は、虫の生態に夢中になっている我が子を応援し続けたこと。最後に「虫を通して命の尊さを知りました。大学ではもっと広い視野で生き物について学びたいと思っています。」と締めくくられていました。
 夏休みとは限らず、幼稚園の砂場でも子どもたちそれぞれの遊びが展開されています。固い泥だんご作りの水加減に苦労したり、穴を掘った池に入れた水のゆくえを探ったり、カップに砂を入れてはひっくり返していろいろな形のプリン作りに没頭したり、レストランごっこやパーティごっこなど友だちや先生を誘ってごっこ遊びに夢中になったり・・・。幼稚園の砂場で繰り広げられる子どもたちの「遊びの世界」は果てしなく膨らんでいきます。「思考力の本質は見えないものを見る力」といわれますが、まさに子どもたちは遊びを通して想像力を膨らませ、思考力を育んでいます。
 年少の「夏祭り」や年中の「夕涼み会」、卒園児も大勢かけつけてくれ、さながら同窓会のようでした。縁日を一緒に回ってゲームをしたり、遠巻きに盆踊りに興じたり、打ち上げ花火に歓声をあげたりと、幼稚園での夏の行事を懐かしそうにしながら楽しんでいました。夏休み終了も間近の小学生に、「夏休みの宿題は終わった?」と聞くと、「もうとっくに!!」と言う子もいれば「まだ自由研究が終わらない。」と言う子もおり、幼稚園の時のように遊んでばかりいられない夏休みだったようです。でも数年前、ひたすら虫網を持って昆虫を追いかけたり、砂場で穴を掘って水を流して泥んこになったりした子どもたちです。幼稚園で十分遊びこんだからこそ、知恵を働かせ思考力を駆使して、目の前の宿題(課題)に取り組めているのだと、そう信じています。
 いよいよ2学期、10月の運動会・11月の遠足・12月の音楽会と、幼稚園でのメイン行事が連なります。夏休み、思いっきり遊んで戻ってきた子どもたちは、そこで培った体力を活かして広い校庭で走ったり踊ったりしてくれることでしょう。水族館までの長い道のりもしっかりと歩を進めてくれることでしょう。そして、培われた豊かな想像力や思考力は、ホールでの音楽会で十分発揮されることでしょう。  『思考力は遊びで育つ』のキャッチコピーをこれからも日々の保育の中で実践しながら、実りの多い2学期にしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【7月号】

令和元年6月27日
緑幼稚園長 後藤かをり

知りたがりやのしたがり屋
~時には一匹のダンゴ虫にすら~

 梅雨に入り、どんよりした空との毎日は何となくジメジメしていて「シトシト・ポツポツ・パラパラ・ザーザー」と降る雨音に気分は滅入りそうになりますが、どんな季節だって子どもたちはパワー全開です。この時期の雨の恵みを受けて大きく育ったプランターの野菜たちは、今か今かと食べ頃を待っています。雨に濡れたアジサイの花は、どんな花よりも美しく際立って「見て見てコール」を発しています。そして、ヨチヨチ歩きのカタツムリも「オレ様の季節がやってきた!!」とばかりに、我が物顔をして子どもたちとのふれ合いを楽しみにしています。
 さて先日、「生活綴方」と呼ばれる作文教育に永年取り組んでいらした元小学校教諭、野名龍二氏の訃報を知らせる記事を目にしました。この「生活綴方」は、子どもたちが生活をありのままに綴った作文を読み合う教育方法の一つで、代表的な文集「山びこ学校」は私も学生時代に読んだことがあります。素朴な言葉で、素直に自分の思いを表現した子どもたちの作文は読み手を感動させるもので、私は、その時に担任していた子どもたちの作文に朱を入れることをためらった時期もありました。その野名氏の著書「綴方教育論」の一節につぎのような文があります。

  子どもは、知りたがりやのしたがり屋である。人や物とつながろうとする。
  時には一本の釘にすら愛情を寄せる。

 目の前にいる大勢の子どもたち、「なんで? どうして?」という疑問をいっぱいぶつけてきます。「やりたい!! やってみたい!!」と好奇心も旺盛です。ダンゴ虫愛が強くて、ひたすらダンゴ虫集めに奔走しています。アリの大群に心を奪われ、飽きることなくずっと眺めています。そんな子どもたちが文字が書けるとしたら、自分たちの日々をどんな言葉で綴るのでしょう。
 野名氏のガリ版刷りのわら半紙(イメージができなかったらごめんなさい。)で作られた文集「みどりの電車」の最終号につぎのような文があります。

  仲間の作文を読んで仲間の生活を知り、仲間の心を知った。そして「みどりの電車」の仲間たち
  ひとりひとりが互いに心と心をつないでいったのだと思う。

 「知りたがりやのしたがり屋」がいっぱいの子どもたちは、言葉には表現できなくても一緒に活動する中で、お互いの気持ちを共有し合ってお友だちを作っていきます。時には、自分のやりたいことだけを優先させてしまっている年少の子どもたちも、そのうちにお友だちの心を知り、クラスの仲間としてつながっていくことでしょう。
 これからが夏本番、また、子どもたちが楽しみにしている夏休みも始まります。年長のお部屋からは「ヤッホッホ夏休み」の歌が聞こえてくるようになりました。そんな「ヤッホッホ夏休み」の間には、年長のお泊まり会や年中の夕涼み会、そして、年少の夏祭りがあります。「知りたがりやのしたがり屋」の子どもたちは、この夏の行事にも興味関心をもって臨み、お友だちとのふれあいやつながりを一層高めてくれることと思います。
 これから迎える夏休み、ぜひ、各ご家庭でもそれぞれの夏模様を綴ってみてはいかがでしょうか。
そして、2学期も1学期同様、どうぞよろしくお願いいたします。

【6月号】

令和元年5月28日
緑幼稚園長 後藤かをり

変化に富んだ5月が過ぎて
~お部屋も廊下も園庭も~

 改元「令和」一色で始まった5月、東京2020の五輪チケットの発売も始まり、ニュースには事欠かない日々が続きました。そんな世の中のフィーバーに負けないくらい、幼稚園の5月も変化に富んだ毎日が続いています。

 さて、子どもたちと一緒に活動した5月の製作や行事を振り返ってみると・・・。
 10連休といった長いお休みのすぐあとの日曜日は「母の日」でした。巷には真っ赤なカーネーションがあふれかえっていましたが、お子さんから届けられた手作りのプレゼントはいかがでしたか。
年少はハート形のしおり、年中はおしゃれなストラップ、そして年長はプラバンで作られたキーホルダーと、それぞれの学年の実態に合わせたステキなプレゼントを子どもたちは作りました。「ママありがとう」の気持ちがプレゼントと一緒に届けられて、身も心も幸せな気分に包まれたことでしょう。
 翌週は、お釈迦様の誕生をお祝いした「花まつり」が行われました。年少の子どもたちは、クラスのお部屋で甘茶をいただきました。初めて口にする甘茶のお味はどうだったのでしょう。年中からはお寺の本堂で「花まつり」をお祝いし甘茶をいただきます。恐る恐る本堂の敷居をまたいだ年中の子どもたちは、本堂の中をキョロキョロと興味深そうに眺めながら、お母さん座りをして手を合わせました。
年長は年中のときに経験をしているので、本堂への入り方も座り方もマスターしています。本堂に漂う静寂な空気を感じながら神妙な面持ちで黙祷する子どもたちの横顔に、1年間の成長を感じました。
 そして、週末の「ズーラシア」での親子遠足。木陰が恋しくなるほどの好天の中、楽しいひとときをもつことができました。お友だちとグループになり「動物クイズ」に答えながらまわった年長の子どもたち。最後は、バードショーで盛り上がりました。年中は学年合同レクをした後、オカピ見学。年少は、おうちの方と一緒に動物園巡り。近場の動物園ですのでご家族で何度も足を運んでいらっしゃると思いますが、この親子遠足で、お友だちの顔や名前を覚え、親睦が一層深まったのではないかと思います。

 さてさて、園庭のプランターも腐葉土が入れられ、栄養いっぱいの土に生まれ変わりました。そこに植えられた年長の「ミニトマト」や「パプリカ」の苗も、緑を濃くして大きく育っています。また、年中のインゲンマメや年少のアサガオも、芽を出し葉の数を増やしています。これから、ますます太陽と雨の恵みを受けて、大きく大きく育つことでしょう。
 年中のお部屋や廊下も、ちょっぴり変化に富んでいます。
 さくら組のお部屋には、タンポポの綿毛が、土を入れた牛乳パックの上で芽を出しています。タンポポの綿毛についている小さな種は、とんでいった先で芽を出したくさんのお花を咲かせます。さくら組のタンポポも、綿毛になってどこか遠くへとんでいくのでしょうか。
 たんぽぽ組の前の廊下には、「キラちゃん」というアオムシが虫かごに入っています。可愛い名前をつけられたアオムシは、「はらぺこアオムシ」のようにモリモリ葉っぱを食べて大きくなっています。そのうちにサナギになってチョウチョになって・・・さくら組のタンポポとどこかで出会うかもしれません。

 変化に富んだ5月が終わり、水色の制服に衣替えした子どもたちとの6月が始まります。6月も、世の中のフィーバーに負けないくらい、変化に富んだ毎日が始まることを楽しみにしています。

【5月号】

平成31年4月25日
緑幼稚園長 後藤かをり

緑・みどりの5月を迎えて
~幸せをもたらす「みどりのゆび」~

   桜色から緑色の葉桜、赤白黄色のチューリップも一枚一枚と花びらを落とし、季節は緑ふくらむ5月。新緑・深緑・緑・みどり・・・。5月は、まさに緑幼稚園の季節です。
 「イヤイヤ」「メソメソ」で始まった年少さんも、少しずつですが幼稚園生らしくなってきました。とは言っても油断は禁物、10連休という長いゴールデンウィークの後も心配なところです。

 今年度から、職員室が西棟の元川組の保育室に移動し、森組・川組・おひさまの部屋と並んでいます。年長の保育室の前を通ると、先生の話に耳を傾け整然と製作に取り組んだり活動をしたりしている姿が目に入ります。「さすが年長!!」です。その前をそっと通り抜け、西棟から東棟の角を曲がった途端、賑やかな声があちこちから聞こえてきます。時には、お部屋から出たり入ったり、上履きで園庭にとび出していったりと、自由きままな子どもたちの顔も見つけます。それでもそのうちに・・・、幼稚園の4月・5月の「行きつ戻りつ」の毎日は、まだまだ続きそうです。

 この緑の季節、ふと、ずっと前に読んだモーリス・ドリュオン作の「みどりのゆび」というお話を思い出しました。優しい両親に愛され、何不自由なく育った男の子「チト」は「みどりのゆび」を持っています。その「みどりのゆび」が土に触れるだけで、そこに落ちていた種を芽吹かせ、花を咲かせることができるという不思議なお話です。病院で出会った病気の女の子を花で包み込み、笑顔にさせます。動物たちのふるさとの植物で、動物園は花いっぱいになります。このお話は、もう少し重いテーマを抱えていますが、幸せをもたらす「みどりのゆび」に間違いはありません。
 そう考えると、幼稚園の子どもたちも「みどりのゆび」をいっぱい持っています。
 「みどりのゆび」でおいしそうに食べているお弁当。ママが作ったお弁当をスプーンやフォークで、時には「みどりのゆび」で上手につまんで食べている子どもたち。きっと空っぽになったお弁当箱に幸せを感じていらっしゃることでしょう。
 「みどりのゆび」を使った手遊び。お日様になったり飛行機になったり自動車になったり、時にはアンパンマンになったりして想像の世界を広げてくれます。楽しそうに手遊びをしている子どもたちの表情は、先生方にたくさんの喜びをもたらしてくれます。
 年長の廊下の天井には、「こどもの日」にちなんでこいのぼりが泳いでいます。「みどりのゆび」を使い、2色の色画用紙を市松模様に丁寧に折って作ったこいのぼり。眠そうね目、大きく見開いた目、まつげがカールされている目と、こいのぼりの表情も一人ひとり違います。そんなこいのぼりが元気に泳いでいる、その下を通ると勇気と希望がもらえます。

 昨年度の卒園式で、卒園する子どもたちに「みんななかよく、どりょくをおしまず、りっぱないちねんせいになってね。」と話しました。「努力を惜しまず」なんて難しい言葉ですが、「何でもあきらめないこと、最後まで頑張ること」というメッセージを、「みどり」の三文字にちなんで、もうすぐ1年生になる子どもたちに送りました。

 新緑の季節、ますます、私の「みどり熱」は冷めそうにもありません。これからの爽やかな緑の季節、子どもたちと一緒に満喫していこうと思います。

【4月号】

平成31年4月6日
緑幼稚園長 後藤かをり

子どもたちの笑顔を求めて
~2019年度がスタート~

 ちょっぴり足踏みをしていた桜の花も、4月から年長になった子どもたちが植えたチューリップの花も、幼稚園のスタートを待ってくれているかのように、今、彩りを放っています。

 平成31年度、2019年度がスタートしました。そして5月からは、令和元年度としてスタートします。何かいつもの年とは違う、緊張した面持ちでこの4月を迎えています。

 お子様のご入園・ご進級おめでとうございます。
 春の息吹が満載のこの幼稚園で、158名の子どもたちとの新たな「こどもの世界」が始まりました。
 初めて幼稚園に一歩を踏み出した子どもたちのドキドキ感、一つ上のクラスに進級した子どもたちのワクワク感、そして、その子どもたちと繰り広げられる数々のドラマへの期待感と、4月は子どもたちも教職員も、そして保護者の方々も新しい空気に包まれていることと思います。
 明日から始まる子どもたちとの毎日、何となくソワソワしています。そして、子どもたちに負けないくらい、ワクワク・ドキドキもしています。
 今年度もまた、この緑豊かな大地で、ステキな「こどもの世界」が繰り広げられることでしょう。そして、数え切れないくらいの感動が生まれることでしょう。
 今年度も子どもたちの弾ける笑顔を求めて、教職員一同、保護者の方々のお力もお借りしながら、日々の保育に努めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【3月号】

平成31年2月26日
緑幼稚園長 後藤かをり

小さい子への優しさと大きい子への憧れ
~異学年交流を通して~

 ただそこにいるだけで喜びを与えてくれた子どもたちも、この1年間でずいぶん成長し、今、次の学年への階段を駆け上がろうとしています。
 さて、学年末のこの時期、園では学年内での交流はもちろんですが、異学年交流も盛んに行なわれました。
 まずは年長と年中少との交流。年長はこの時期、クラスのみんなでアイディアを出し合い共同製作に取り組みます。みんなで意見交換をし、イメージを共有しながら取り組んだ共同製作。森組は「宝探し」、川組は「アスレチック」と、それぞれのクラスカラー満載の共同製作は、小さいクラスのお友だちを大興奮させました。「自分たちで作り上げる喜びだけではなく、小さいクラスのお友だちを喜ばせてあげたい。」という他者意識がふつふつと沸き上がってきているこの時期、なるべく子どもたちの思いを大切にしたい、子どもたちのやる気を尊重したいという担任の願いのもと、ようやく完成にこぎつけることができました。そこには、卒園を前にした子どもたちの意気込みが強く感じられました。その出来上がる様子を何度も何度ものぞき込みながら「いまか、いまか」と心待ちにしていた年中少の子どもたち。大きなお兄さん・お姉さんと手をつなぎ、夢中になって宝物を探したりアスレチックの迷路に挑戦したりする子どもたちの顔は、終始ニコニコ顔でした。
 次は年中と年少との交流。年中主催のお店屋さんごっこは、本物と見間違うほどの品物がどっさり作られ、これもまた、年少のお友だちを十分楽しませてくれました。年中も「どんなお店にしたいか。」という相談から始まり、材料集めから作り方まで試行錯誤しながら進めてきました。当然、先生の力をいっぱい借りることになりましたが、子どもたちは品物作りに没頭し、まるで職人になった気分で品物を完成させ、ようやく本番にたどりつくことができました。
 さくら組は、すしコーナーの「にぎり・いなり・手巻き」と「クッキーやじゃがりこ」のおかしコーナー。たんぽぽ組は「焼き鳥・綿あめ」のお祭りコーナーと「チャーハン・アイスクリーム」のラーメンコーナー。色とりどりの商品を並べて「いらっしゃい。何にしますか? ありがとうございました。」と大きなかけ声をかけて年少のお友だちを誘う年中の子どもたちの誇らしげな顔に、もうすぐ年長になるんだという自信が垣間見えました。
 「おやつにクッキーどうぞ。」「焼き鳥はパパのおみやげにいいよ。」そんな声につられてお買い物をした年少の子どもたちのこれも嬉しそうな顔。手提げ袋に大事そうに持ち帰った商品、ご家族で一緒に召し上がりましたか?
 さて最後に、年長の共同製作にも年中のお店やさんごっごにも招待された年少は、もっと小さいプレの子どもたちをお部屋に招いて、一緒にお弁当を食べる時間をもちました。特別な準備はなかったけれど、一緒のテーブルにいる小さいお客さんに優しい声で話しかけたり、お弁当を開けるお手伝いをしたり・・・。そこには、すっかりお兄さん・お姉さんの顔になった年少の子どもたちがいました。
 自分より小さな子への労り、小さな子が困らないように気遣う優しさ。逆に、自分より大きい学年への憧れ、「ぼくたちもやってみたいな。」という次の学年への意欲。こんなやりとりをして3年間がつながっていくのでしょう。異学年交流でみせた子どもたちの表情をみて、次の学年への階段はそう高くはないということを実感しました。

 平成30年度も残すところ1ヶ月となりました。保護者様には多方面にわたり本園教育活動にご理解とご協力をいただき、本当にありがとうございました。
 平成31年度、子どもたちが笑顔いっぱいで通園できますように、教職員一同、新たな気持ちで保育に邁進していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【2月号】

平成31年1月29日
緑幼稚園長 後藤かをり

ただそこにいるだけで
~「人生はよろこばせごっご」~

 平成31年が始まって1ケ月、羽根つきにコマまわし・かるたとりと、風情豊かなお正月遊びに興じていた子どもたちの1月も過ぎ、立春を目の前にした2月を迎えました。
 「まだまだ春は遠からじ」、これからも寒い日が続きそうです。
 さて先日、子どもたちが大好きな「アンパンマン」の作者:やなせたかし氏の「人生、90歳からおもしろい!」というエッセイを書店でみつけました。その中に、こんな一節がありました。

 人は人の為につくし、人をよろこばせるのが最大のよろこび
 ぼくはいつも「人生はよろこばせごっこ」と言っている。人が喜ぶ顔を見るのが大好きである。

 「アンパンマン」が絵本として出版されたのは1973年、それからテレビ放映されるまで15年が経ち、様々な形で進化させてきた「アンパンマン」がようやく実を結んだのは、やなせ氏が70歳前後の頃だそうです。かっこよくはないし最強でもないけれど、困っている人やおなかがすいている人に自分の顔をちぎって食べさせる「アンパンマン」というキャラクターには、やなせ氏のヒーロー像が反映されているといわれています。自分の身を削って他者を幸せにする、自分を犠牲にして相手の幸せを願う、それが最大の喜びであるというやなせ氏の生き方に、「アンパンマン」を見る目にも緊張感が走るような感覚を覚えました。
 そんなことを考えながら、目の前の子どもたちを見てみると・・・。
 年少の子どもたちのシールノートは「アンパンマン」のキャラクターで埋め尽くされています。アンパンマンにドキンちゃん、ジャムおじさんにバイキンマンと、子どもたちのキャラクターに寄せる思いは様々です。年中・長にもなると「アンパンマン」を卒業している子もいますが、自分がかつて通ってきた道ですので、そのストーリーに寄せる思いは格別です。
 「人生はよろこばせごっこ」であるとすれば、子どもたちはただそこにいるだけで周りの大人を喜ばせてくれます。ずっとさかのぼると、誕生した瞬間・ハイハイし歩き始めた瞬間・離乳食を口にした瞬間・片言の言葉を発した瞬間・おむつとさよならできた瞬間・そして幼稚園に入り、友だちの名前を覚えて一緒に遊べるようになった瞬間・できることがどんどん増えてくるプロセスを目の当たりにした瞬間・・・。歯が抜け替わっただけでも愛おしいものです。人を喜ばせようと意図しているわけではないのに、自分の身を削っているわけでもないのに、子どもはただそこにいるだけで、周りの大人に喜びや幸せを与えてくれます。
 「アンパンマン」がブレークした後半生、どんなに偉くなっても忙しくても締め切りは絶対に守る、どんな依頼も断らず相手の求めに応ずる、それを無上の喜びとされたやなせ氏の生き方。
 今は、ただそこにいるだけで喜びを与えてくれる子どもたちですが、そのうちに、相手を喜ばせる生き方に、いつかはギアチェンジをすることでしょう。

 「人生、90歳を待たなくてもおもしろい!」
 日々の子どもたちとの触れ合いに、たくさんの喜びと元気をもらっているところです。

【1月号】

平成31年1月9日
緑幼稚園長 後藤かをり

次の坂道に続く3ケ月
~「坂の上の幼稚園」から~

 平成31年が厳かに始まりました。1年の中には様々な節目を迎える日がありますが、新しい年の始まりは、普段見慣れている町の光景もふり注ぐ陽の光も、そして頬に伝わる風も何となく新鮮に感じられます。
 明けましておめでとうございます。
 今年の干支は「亥」。猪突猛進と言われるイノシシ、最近は民家や田畑に出没するイノシシの被害が話題になっていますが、開拓された山々も住みずらくなってきているのでしょうか。イノシシにとっても人間にとっても、穏やかで平和な1年であることを願っています。

 緑幼稚園は空と緑に囲まれた自然がいっぱいの環境の中で、いろいろな遊びからたくさんのことを学ぶことができる楽しい幼稚園です。
 これは、本園のホームページの冒頭に掲げられている幼稚園紹介文の一節です。司馬遼太郎著「坂の上の雲」ならぬ「坂の上の幼稚園」は限りなく空に近く、眼下には緑濃い田畑が広がっています。「ここが横浜?」と見間違うほど豊かな自然に囲まれています。遠くには丹沢山系が連なり、その向こうには雪化粧をした富士山が美しい姿を見せてくれます。
 そんな高台にある幼稚園に続く坂道を、晴れの日も雨の日も、たまには雪の日も、子どもたちは毎日上ってきます。フーフー言ってる大人のそばを、お友だちとおしゃべりをしながら、楽しそうに歌を歌いながら、時には眠そうな目をこすりながら、子どもたちは上ってきます。
 自由遊びの時間になると、この坂道を行ったり来たりして遊びます。タイヤのスロープのところでショートカットをして下っていく子もいれば、虫捕り網をひきずって下り、木々の隙間で虫さがしをしている子もいれば、暖かくて気持ちのいい日には寝転がって空を見上げている子もいれば・・・。そんな坂道を毎日上ってくるのですから、子どもたちの足は自然に鍛えられます。「さかみちははしりません」というお約束になっていますが、まずはあまり転ばなくなります。上手にブレーキをかけて下りていくことができるようになります。園庭で遊んでいるボールが転がっていく時も、下り方をコントロールしてキャッチできるようになります。
 風のうわさによれば、緑幼稚園を卒園した子どもたちは、小学校の運動会でリレーの選手に選ばれる確率が高いとか・・・。でもこれは運動能力と関係があるので、足腰を鍛えているからリレーの選手になるとは一概にいえませんが、こんなに毎日、坂道を上り下りしているのですから、箱根の山越えはできそうな気がします。
 お正月恒例の箱根駅伝に出場する選手を応援しながら、「坂の上の幼稚園」の夢は大きくふくらんでいきます。

 さて、昨年末の本園恒例の音楽会、一部・二部とも年少から年長までの3クラスの発表でしたが、子どもたちの3年間の軌跡はいかがだったでしょうか。痛々しいほど可愛い年少さんから、見どころを分かって演じている年中さんへ、そして年長の一致団結したダイナミックな発表へと、子どもの3年間の軌跡は、心震わすものでした。
 平成31年・2019年、今年も「空と緑に囲まれた坂の上の幼稚園」で数々のドラマが生まれることでしょう。新しい学年への3ケ月、小学校入学までの3ケ月、次の坂道に続く3ケ月を、職員一同気を引きしめて、日々の保育にあたっていきたいと思います。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

【12月号】

平成30年11月27日
緑幼稚園長 後藤かをり

平成30年も終盤に近づいて
~「成長 半端ないって」~

 朝晩の冷え込みが厳しくなりましたが、その分、園庭からはくっきり富士山を眺めることができます。世界遺産の頂を、この地で満喫できる幸せをかみしめながら、寒さを忘れて園庭で遊んでいる子どもたちのあとを追いかけています。
 さて、11月は新江ノ島水族館への遠足、その翌日は緑幼稚園バザー「みどりっこまつり」、そしてその翌週は一日動物村と、連日の行事に子どもたちは大喜びでした。
 秋の遠足は例年、父母の会役員さんに引率をお願いしています。今年は雨天の上、渋滞にみまわれながらの遠足で、引率の役員さんには本当にお世話をおかけいたしました。ありがとうございました。その後の役員会では、遠足についての感想やいくつかの要望等が出されました。その中で、やはり年少の子どもたちを引率する大変さが多く語られました。家族以外の大人や先生、友だちと観光バスに乗って遠出する経験がない年少の子どもたちにとっては、何もかも初めてのことです。バスの中ではずっと座っていなければならないし、広い場所で自分でシートを敷いてお弁当を食べなければならないし、途中でおなかが空いてもおやつは食べられないし、お友だちのママを見て自分のママに会いたくもなるし・・・。そんな子どもたちを、随所随所でお世話をしてくださった役員さん、その日の夜はきっとぐったりだったことでしょう。その感想を聞いていらした年長の役員さんが、年長の子どもたちは、自分たちで決められたお友だちと手をつないで歩くし、前の子が移動したら慌ててついていくし、自分でトイレに行って用もたせるし・・・「今年は楽しめました。」という感想が多く出されました。3年間引率をしてくださった役員さんもいらして、年少から年長への子どもたちの成長やその変容に、驚かれていました。まさに今年の流行語でいけば、子どもたちの3年間の成長は「半端ないって」です。
 年少のお部屋には、細い枝に絵の具で色を塗り、その上を毛糸で巻き付けたモビールがぶら下がっています。細い枝に色を塗るのも毛糸を上手に巻き付けるのも、子どもたちにとっては至難の技すが、一生懸命モビールを作っている真剣な表情をを見て、入園して8ケ月、「子どもたちの成長半端ないって」と感動を覚えました。遠出した先日の遠足だって、そのうちにそのうちに半端ない喜びを役員さんに提供できることでしょう。
 年中のお部屋には、画用紙いっぱいに、しいたけやレンコンの切り口を使った「野菜スタンプ押し」が掲示されています。断面の面白さや素材の柔らかさを考慮しながらスタンプ押しをしたという子どもたちの説明に、「なるほど!すごいね!」と相づちを打ってしまいました。その得意気な表情にも「子どもたちの成長 半端ないって」とここでも感動を覚えました。年少の時のあの子たちは、一体どこへ行ったのでしょう。
 年長のお部屋には、折り紙で折ったトンボの周りを秋の風景で囲んだ作品が掲示されています。図鑑「むしたちのうんどうかい」を導入に使い、完成品の見本は使わずに子どもたちの創意工夫を生かした作品は、それぞれに個性豊かで身の回りの資料やヒントからオリジナルの作品を仕上げようという心意気が伝わってきます。さすが年長「子どもたちの成長 半端ないって」です。
 平成30年は、あと1ヶ月ほどで幕をおろします。
 半端ない成長の子どもたちは、遠足の観光バスの中でも園庭で遊びながらも、「カモン ベイビーアメリカ」の歌にはまっています。「ダサ カッコイイ/USA」ならぬ「スーパー カワイイ/USA」の子どもたちと繰り広げられる今月の音楽会、ぜひご期待ください。
 最後になりますが、今年も保護者の皆様には大変お世話になりました。そして、ちょっぴり早いですが、平成31年もどうぞよろしくお願いいたします。

【11月号】

平成30年10月25日
緑幼稚園長 後藤かをり

みんな「ヒーロー」
~運動会のおゆうぎから~

 前日の雨が校庭をしっとりさせていて空から射す日の光も弱く、これは絶好の運動会びよりだと喜んでいたのですが、お日様がぐんぐん顔を出し、終わった頃には夏で焼かれた肌がヒリヒリするような、そんな天候の中で平成最後の運動会を無事終えることができました。父母の会の役員さんを始め、たくさんの保護者の皆様、多大なるお力添えありがとうございました。
 今年の運動会、数多くある種目の中から各学年の「おゆうぎ」に目を向けてみると・・・。
 緑色のマントをひるがえして踊った年少の「ピーマンマン」。保育参観でおうちの方と一緒に作り上げたマントは、子どもたちのやる気を十分引き出してくれました。音楽がかかるとお部屋でもどこでもピーマンマンになりきって踊っている子どもたち。本番はいかがだったでしょうか?
 キラキラテープをもって踊った年中の「マスカット」。テンポの速いリズムに合わせたコマネチポーズが可愛くてうっとりして見てしまいました。親子競技でも登場した緑色の大きなマスカットボール。甘酸っぱいマスカットのような年中の子どもたちの、去年とは違う姿を見せてもらいました。
 そして年長の「ヒーロー」。9月いっぱいで引退された女性アーティストの曲を声高に歌いながら、一人ひとりがヒーローになって見事に表現してくれました。校庭に引かれたたくさんのラインは隊形移動の難しさを物語っていますが、子どもたちは年長としての自覚をもって取り組み、幼稚園最後の運動会を花やかに飾りました。

 さて、運動会シーズンが近づくと今年はどの曲を使って表現するか、先生たちは夏休み前からそのリサーチに入ります。今年のテーマを何にしようか、巷ではどんな曲が流行っているか、今、人気のアニメは何か、子どもたちが好きでノリノリになって踊れる曲は?・・・。
 私も若い頃、運動会シーズンになると「さて今年は・・・」と頭を悩ませたものでした。
 今年亡くなられたさくらももこさんの「踊るポンポコリン」が流行った年は、その曲を鼓笛隊のドリル演奏に使わせてもらいました。踊りながら歌える「ヤングマン」は、全校ダンスの曲として大いに盛り上がりました。沖縄サミットが開かれた年は「エイサー」、よさこいソーランが流行った年は、どこの学校でもねじり鉢巻きにお揃いの法被をまとって「ソーラン節」と、その時々の世の中の流れに合わせた楽曲を選びました。山形県の「花笠音頭」や富山県の「こきりこぶし」など、地方に伝わる民謡を選曲したこともあります。故郷を思わせる地方色豊かな踊りは、観客をも巻き込みました。

 今年の幼稚園の運動会は、どの子も年長が披露したおゆうぎの「ヒーロー」そのものでした。どの学年も自分の持つ力を十二分に発揮して、一人ひとりが輝いていたと思います。

♪ 君だけのためのhero どんな日もそばにいるよ I'll be your hero
  君だけのためのhero 強くなれる訳は大切な人が 常に笑顔で支えてくれた
  だから乗り越えられる 険しい道のりも 君と交わした約束の場所
  だけどたどり着いてみせる いつか必ず forevermore ♪

 リオオリンピック・パラリンピックの応援歌として採用された曲「Hero」は、ひたむきに競技にうちこむアスリートたちを称える歌であり、アスリートの姿に明日への希望を見出す人々への応援ソングでもあるといわれています。そう考えると、一生懸命、競技や演技に取り組んだ子どもたちの姿を称える歌として、そして、その姿に明日へのエネルギーを見出してくださった保護者の皆様や大勢の観客への応援ソングとして、この曲は山下小学校の校庭いっぱいに奏でられたような気がします。

 運動会にお芋ほりに園外散歩と10月の活動を振り返り、その余韻に浸っているうちに、もうカレンダーは11月。霜月といわれる11月ですが、霜がおりるのはまだまだ先の話、これからは園庭も赤く黄色く染まって秋深い紅葉の季節に入ります。
 さてさて、11月はどんなヒーローが登場するのでしょうか。10月を超える子どもたちの、赤や黄色に彩られていく様を想像しながら、期待がますますふくらんでいきます。

【10月号】

平成30年9月27日
緑幼稚園長 後藤かをり

「○○の秋」とはいうけれど
~全てはオールシーズン~

 夕方6時にもなると、あたり一面薄暗くなり、漂う風はもうすっかり秋の気配を感じさせます。
 今、幼稚園では、迫り来る運動会に向けて熱のこもった練習が続いています。練習を始めた当初は、これはどうなることかと心配しましたが、日が経つにつれ「かけっこもかけっこらしく、おゆうぎもおゆうぎらしく」さまになってきました。10月6日、「スポーツの秋」にふさわしい1日、ぜひ、可愛い子どもたちの頑張る姿にご期待ください。
 さて、「スポーツの秋・読書の秋・食欲の秋」と暑さも和らぐこの季節、秋はいかようにでも様々な姿を見せてくれます。
 1964年、東京オリンピック。ずいぶん昔の出来事のように語られていますが、私はリアルタイムでテレビにかじりついて燃え上っていました。「10月10日:体育の日」なる祝日も、東京オリンピック開会式を記念して制定され、日本中が高度成長期に入っていくさまを目の当たりにした時代でもありました。老いも若きも、スポーツをして体を鍛えるという動きがこの体育の日に集中して行われ、せっせと運動に明け暮れたものです。そして今、心は「東京2020」、夏のオリンピックです。そのうちに「スポーツの秋」は「スポーツの夏」に様変わりするのでしょうか。でも健康のためには、いつの季節でも運動を続けた方がいいこと間違いなし、まさに「スポーツはオールシーズン」です。

 秋は、静かに読書にふけるのにも、もってこいの季節です。
 先日、「卒園式にもらった本が作家人生の原点であった ~平田オリザ~」という見出しの雑誌が目にとまりました。戯曲作家として活躍している彼の原点ともなった絵本とは、エーリヒ・ケストナー著の「どうぶつ会議」です。~いつまでも争いをやめない人間に業を煮やした動物たちが、世界中の動物を集めて会議を開き、貧困や革命が二度と起こらないよう、国境をなくすことを会議で決める~そんなストーリーの本に、まだ幼稚園児だった平田氏は感銘を受けたとありました。「中学生の時に読み返して、よくこんな難しいのを読んでいたな、絵本という印象だったのが、あれ? 絵本じゃないじゃん。」幼稚園はいつでもどんな季節でも、絵本の世界が繰り広げられています。先生の読み聞かせにたっぷりと浸ったり、自分でページをめくってストーリーを追ったり……。「読書の秋」ならぬ「読書もオールシーズン」、お気に入りの絵本と出会った子どもたちの、これからの人生が楽しみです。

 春夏秋冬、この世の中にはおいしいものがたくさんあります。子どもたちのお弁当を覗いてみると、この季節は、秋の味覚であるぶどうや梨がお弁当箱を彩っています。お母様が、お子さんの喜ぶ顔を思い浮かべて作ったお弁当の片隅に入っているデザート、それをおいしそうに嬉しそうに食べている子どもたち。やっぱり「食欲の秋」と言いたいところですが、春には真っ赤ないちごやさくらんぼ、冬にはオレンジ色のみかんと、どの季節の味覚もニコニコ顔で頬張っています。「食欲もまさにオールシーズン」です。

 熱中症が心配で、思いっきり外遊びができなかった夏から、心地よい爽やかな風が吹く秋に変わり、子どもたちは、虫を追いかけたり、砂場で泥遊びをしたり、どんぐり拾いをしたり、鬼ごっこをしたりと、外で元気に走り回って遊んでいます。「遊びもオールシーズン」、夏の水遊びも楽しかったですが、それにも増して今、子どもたちのあふれんばかりの笑い声が幼稚園いっぱいに響き渡っています。

【9月号】

平成30年8月29日
緑幼稚園長 後藤かをり

おうちの方の目に届かない幼稚園の行事?
~「年長のお泊まり会」特集~

 猛暑・酷暑に悩まされた夏休みでしたが、子どもたちは、元気いっぱい、夏休みの思い出を背負って、いつものように幼稚園の坂道をのぼってきました。
 台風20号が去っていった翌日の土曜日には、年少中の夏祭りや夕涼み会がありました。2学期には、運動会に遠足に音楽会と盛りだくさんの行事を控えています。ぜひ、子どもたち一人ひとりの大活躍(?)する姿をご期待ください。
 さて、数々の幼稚園行事の中で、おうちの方の目に届かない行事がいくつかあります。その中の一つが、夏休みに入ってすぐに行われた「年長のお泊まり会」です。あの時の暑さと興奮は、もう1ヶ月以上も前のことになりますが鮮明に脳裏に焼き付いています。そのお泊まり会の一部ですが、実況中継風にお届けしたいと思います。

<スイカ割り>
 真っ赤に熟れたスイカを、みなさんご存じの通り目隠しをして割ります。目隠しをしなくても丸い スイカを割るのは至難の業なのに、目隠しをした子どもたちのスイカ割りはご想像の通りです。「右 右まっすぐ!」という心温まるお友だちの声援を受けて棒をふりかざすのですが・・・。かぐわし いスイカの香りはなかなか漂ってくれません。それでも少しずつ、スイカは子どもたちの熱い気持 ちに応えて、真っ赤な顔を出してくれました(ホッ!)。そのあとは、冷やされたあまーいスイカに かぶりつき、園庭に向かって恒例の種とばしです。来年の夏はきっと、園庭に大きな大きなスイカ がたわわに実ることでしょう。

<キャンプファイヤー>
 園庭の真ん中に組まれた高さ1メートルくらいの井桁。西の空が少しずつ暮れ始める頃、早坂さん の手で点火されました。赤い炎がどんどん大きくなるにつれ、子どもたちのテンションもマックス。 興奮気味の子どもたちと「キャンプだほい」の音楽に合わせて、一緒に歌い踊りました。子どもた ちの歓声が鳴り止まず、まだまだ浸っていたい気分ではありましたが、静かに静かに鎮火していく 炎を名残惜しそうに見つめながら、楽しかったキャンプファイヤーは終わりました。園庭の向こう には、横浜線の灯りが点々と連なり、あかね色に染まった幻想的な夕べは遠のいていきました。

<そろそろ「おやすみ」>
 お部屋いっぱいに敷かれた布団の上にごろりと横になり「おやすみ」の時間になりました。初めて お友だちと一緒に幼稚園でお泊まりする経験、ここでもワクワクドキドキの子どもたちは、なかな か寝付かれません。スイカ割りのあとにおかわりいっぱいカレーを食べて、キャンプファイヤーの あとにシャワーを浴びて・・・。盛りだくさんに行われた活動を反芻しているのでしょうか。
 カエルくんとの「ゲロゲロ、今日はぐっすり眠るんだよ、ゲロゲロ。」の約束は、まだ守られそうに ありません。ヒソヒソ話をしたり、お友だちのおなかに足をのせたり、何度も何度も寝返りをうっ たり・・・。でもそのうちに、「スースー」と可愛い寝息があちこちから聞こえてきました。ようや く全員が寝静まったのは10時過ぎ。ここから先生方の、長い一夜が始まりました。

 まだまだ伝えきれないエピソードがいっぱいあります。私の目に届かないところで、またいくつかのドラマが繰り広げられているかもしれません。不安や緊張を抱きながらも、スッキリと朝を迎えられた子どもたちの誇らしげな顔は、他のどんな行事にも負けないくらい輝いていました。
 「暑い暑い」とうなっていた夏でしたが、それでも爽やかな涼風が心の中を通り抜けていったドラマが、私の手の届かないところでも繰り広げられていました。
 「2歳男児、山中で発見!!」世の中への恩返しのつもりで救助にあたられた、スーパーボランティアの男性の心根。100回記念大会を迎えた甲子園での高校野球児が見せてくれた、熱いふるさと魂。そして、ジャカルタで開催されたアジア大会でのメダルラッシュ。
 ところで、先生方の目に届かなかったお子さんの夏休みは、いかがだったでしょうか?
 2学期も、どうぞよろしくお願いいたします。

【7月号】

平成30年6月28日
緑幼稚園長 後藤かをり

夏でも詩人
~夏の暑さを忘れてしまいそうなステキなつぶやき~

 7月7日ごろの時候を「小暑」、7月23日ごろの時候を「大暑」。1年間を24節気でいうと、これからの時候の挨拶は「小暑・大暑」の季節になります。そんな季節を間近にして、子どもたちからこんな言葉が聞こえてきました。
 ☆「頭のてっぺんが火事になりそう!!」
  陽射しの強い日、真っ赤な顔をして、今にも燃え上がりそうな顔で訴えにきました。
 ☆「アジサイのお花も汗をかいているのかな?」
  雨で濡れたアジサイも、玉の汗をかくほど暑かったことでしょう。
 ☆「ぼくの頭もこどもがえ(???)したよ。」
  夏服に着替えてきた日のことです。散髪で短くなった髪の毛を指さして「こどもがえ!」と教えて  くれました。確かに「衣替え」です。
 ☆「アッ!飛行機がおしっこをしている!」
  よく晴れた真っ青な夏空、尾をひくように出る細長い飛行機雲を見つけた時のことでした。
 ☆「オクラさん背伸びをしているね。大きくなりたいのかな?」
  プランターに植えたオクラの苗が、この暑さでドンドン大きくなりました。
 子どもはいつの世界でも詩人になれます。見たまま感じたまま、素朴な心の有り様を大人も考えつかないような新鮮な言葉で伝えてくれます。その言葉を耳にするたびに、忘れかけていた何かに遭遇したような、そんな感動を味わいます。
 「アサガオって朝だけ咲いて、お昼になると小ちゃくなっちゃうね。お昼寝でもしているのかな?」
 小学1年生を担任していた時のことです。雨の日に傘をさして水やりをしていた子どものつぶやき、その子の黄色い傘の色とともに鮮明に覚えています。きっと、お昼寝をたっぷりしたアサガオは、明日の朝、どんな花よりも早起きして子どもたちの笑顔を待っていることでしょう。
 さて、今月は子どもたちが楽しみにしている夏休みが始まります。

 ♪ こんにちは夏休み さようならお友だち
      ちょっと会えなくなるけれど 9月になったら また会おう
    ヤッホッホ夏休み ヤッホッホ夏休み 月火水木金土日 毎日楽しい夏休み ♪

 年長のお部屋から聞こえてくる「ヤッホッホ夏休み」の歌。毎日楽しい夏休みの中には、年長のお泊まり会や年中の夕涼み会、年少の夏祭りも含まれています。お泊まり会も夏祭りも夕涼み会も、子どもたちの心の琴線をふるわせるステキな言葉が紡ぎ出されてくることでしょう。
 「小暑」や「大暑」よりも「酷暑」や「猛暑」の言葉が似合う夏休みになりそうですが、「夏でも詩人」。枯れ葉舞うロマンチックな秋は、多くの詩人が生まれるといわれますが、この夏だって秋に負けないくらいの詩人がたくさん生まれそうです。ぜひご家庭でも、夏の暑さを忘れてしまいそうなステキなつぶやきをいっぱい拾ってあげてください。そして2学期には、子どもたちの元気いっぱいの顔と、ステキなポエムをお聞かせください。
 2学期も、どうぞよろしくお願いいたします。

【6月号】

平成30年5月29日
緑幼稚園長 後藤かをり

時の流れに身をまかせ
~カタツムリのように~

 カタツムリがゆっくりゆっくり歩を進めている、そのそばを黄色だけではなく色とりどりのレインコートを着た子どもたちも、やっぱりカタツムリのように、ゆっくりゆっくりと坂道を上がってきます。 さつき晴れの5月から、もうカレンダーは梅雨どきの6月。ソワソワ・ドキドキ・ザワザワ・ワクワクで始まった4月から約2ヶ月が経ちました。カタツムリの歩みのように、時間はゆっくり、ゆったりと流れていたわけではありませんが、それでも、2ヶ月の時の流れの重みをひしひしと感じている昨今です。
 5月16日、年中は初めてお寺の本堂に出向き「花まつり」を経験しました。お釈迦様のお誕生をお祝いする「花まつり」を子どもたちなりに理解し、静寂な空気が流れる本堂で手を合わせました。幼稚園での日常とは異なる雰囲気に緊張気味の子どもたちでしたが、本堂を見回しお母さん座りをして参加する姿に、年少ではできなかった体験ができた子どもたちの成長をみることができました。
 5月18日、ズーラシアへ親子遠足に行きました。年長はグループでの活動です。今までの親子遠足のように、おうちの方と手をつないだり先生の後をついて行くだけの遠足ではありません。動物クイズに答えながらグループのお友だちと楽しくやりとりする姿に、これもまた、年中ではできなかった体験ができた子どもたちの成長をみることができました。
 6月10日は「時の記念日」です。天智天皇が日本で初めて設置した水時計「漏刻(ろうこく)」が時を刻み、鐘をうち鳴らした日が6月10日であったそうです。正式に制定されたのは1920年ですから、今から100年近くも前のことになります。
 ご家庭でも同様ですが、幼稚園のような集団生活の場では特に決められた時間の中で物事が運ばれていきます。登園時間・自由遊びの時間・主活動の時間・お弁当の時間・降園時間・・・。日課表にあるように1日のタイムスケジュールがあり、その枠の中での生活が全てになります。
 自由遊びの時間が終わりそうになると「もっと遊んでいたい!!」という声が聞かれます。「あと少し、もう1回だけ」という声が聞かれます。そんな子どもたちの素朴な願いに、「あと少しだけよ」「長い針がここにくるまでね」「10数えるまでね(時には100まで数えていることもあります)」と、先生は子どもたちと折り合いをつけながら進めています。そういう意味では、まだ幼稚園の中にはゆったりとした時間が流れているような気がします。
 水時計「漏刻」の時代からデジタル時計になっている現在、でも幼稚園の中は水時計「漏刻」のような時が流れています。「そろそろ時間ですよ」と声をかけ合いながら、時の流れに身をまかせて1日が終わります。そんなことを言ってると、幼稚園バスは通過してしまいそうですが・・・。
 6月も、時が流れる分だけ子どもたちは確実に成長し、前へ前へと歩を進めていくことでしょう。
 年少から年中へ、年中から年長へと、時間の経過とともに様変わりしていく子どもたちに心をときめかせながら、カタツムリのようにゆっくりゆったりと、その後ろ姿を追いかけていきたいと思います。

【5月号】

平成30年4月26日
緑幼稚園長 後藤かをり

インスタ映えする子どもたち
~「いいね!!」の絶賛の嵐?~

 早足で去っていった桜前線の後を追うように、これから見頃を迎えるはずの藤の花も一斉に咲き乱れてしまい、あっという間に新緑が眩しい5月を迎える候となりました。
 さて、新年度が始まって約3週間。慌ただしさの中にも新しい空気が園内いっぱいに漂い、新鮮で躍動的な息吹を運んできてくれた子どもたちの、日一日と落ち着いていく様は、季節の花と同じくらいの早足で変化を遂げています。
 泣き顔が少しずつ笑顔に変わり、幼稚園生活にだいぶ慣れてきた年少さん。トイレに行く時も園庭に行く時も電車のようにつながって歩いている子どもたちの横顔は、まさにザ・3歳です。朝が早いせいか途中で眠くなる子もいますが、先生の肩に委ねて安心して眠り入っている子の可愛い寝顔も、まさに3歳です。
 そんな3歳児をはさんで、年中と年長さんのお部屋があります。
 登園時は手をつないでお部屋まで連れて行ってくれます。最初のうちは、今までのながーい習慣で、間違えて年少さんのお部屋に入ってしまう年中さんでしたが、今は大丈夫です。ちょっと照れながらも慌てて自分のお部屋に戻っていく年中さんの顔も、りっぱに「おにいさん・おねえさん」の顔になっています。
 もちろん年長さんはその限りではありません。「お片付けパトロール隊」の一員として、小さいお友だちのために活動することができます。この時期は、集団意識・他者意識の芽生えがより一層顕著になり、年長という自覚が芽生えて活動できるときでもあります。もうすっかり、凜々しい年長さんの顔になっています。
 ところで、「インスタ映え」という言葉が昨年度の流行語大賞に選ばれました。
 先日レストランに入った先で、お隣に座っている方が注文されたお料理を食べずに何度も配置を変えながら写真を撮っていました。くまのプーさんのお人形をお料理のそばに座らせたのを見て、私は見てはいけないものを見てしまったような、そんな気がしました。「冷めないうちに食べるとおいしいのに・・・」と老婆心ながら心配しましたが、それは、まさにお節介な老婆心でした。この写真をインスタにアップすると「いいね!!」のコメントがつくと、こっそり教えてくれました。
 そう考えると、子どもたちの表情は全て「インスタ映え」します。見た目も味も(?)、そこら辺のお料理には負けていません。泣き顔だって笑い顔だって、もちろん寝顔だって負けてはいません。「おにいさん・おねえさん」になった顔・凜々しい顔は、どんな被写体にも劣らずいい顔をしています。そして、「いいね!!」の絶賛の嵐は、限りなくついてくること間違いなしです。
 風薫る5月。端午の節句を前にして、こいのぼり製作が始まります。また、母の日が近づく頃には、「おかあさんありがとう」のプレゼント製作が始まります。こいのぼりも母の日プレゼントも、子どもたちが一生懸命作った作品は、多少は見映えは悪いかもしれないけれど、どこのどんなこいのぼりやプレゼントにも劣らず「インスタ映え」する作品です。ぜひ、大事に受け止め「いいね!!」のコメントをいっぱい送っていただけたらと思います。
 平成30年度が幕開けして1ヶ月ですが、この先、子どもたちの「インスタ映え」する成長の姿、ありのままの姿を、心のシャッターで撮り続けていきたいと思います。ぜひ、ご期待ください。

【4月号】

平成30年4月6日
緑幼稚園長 後藤かをり

子どもの世界
~平成30年度がスタート~~

   ♪おとぎばなしのような すてきなこの世界は
          にじの橋をわたっていく 子どもの世界♪
 ついこの間、心も体も大きく逞しく成長した年長さん62名が、「子どもの世界」を歌って幼稚園を巣立っていきました。きっと今ごろ、小学校という新しいフィールドで、新たな「子どもの世界」をスタートさせていることだろうと思います。
 寂しさにつかっている暇もなく、幼稚園には今年もまた、ちいちゃくて可愛いお友だちが新芽のにおいをプンプンさせて入園してきました。
 お子様のご入園・ご進級おめでとうございます。
 満開の桜色に染まった園庭ではありませんでしたが、春の息吹が満載の園庭で167名の子どもたちとの、新たな「子どもの世界」が始まりました。
 初めて幼稚園に1歩を踏み出したドキドキ感、喜びいっぱいで1つ上のクラスになったワクワク感が、子どもたちの表情からひしひしと伝わってきます。ここしばらくは、ドキドキ・ワクワクいっぱいの子どもたちとの、新鮮な毎日が続くことでしょう。
 子どもたちとの日々は、シナリオのないドラマのようです。連ドラに負けないくらい高視聴率をたたきだすであろう子どもたちとのドラマを、今年度も、保護者の皆様と一緒に紡ぎながら進めていきたいと思います。
 昨年度同様、保護者の皆様の温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

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